安倍能成

没年月日:1966/05/07
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 学習院院長、安倍能成は、皮膚病のため東京、文京区の順天堂病院に入院治療中であったが、急性顆粒白血球減少症を併発、7日逝去した。享年82才。明治16年12月愛媛県松山市に生まれた。明治42年東大哲学科を卒業、慶応大学予科、法政大学、旧一高の講師をつとめるかたわら文芸評論を執筆、大正13年9月から哲学研究のため1年4カ月欧州に留学した。帰国後、旧京城帝国大学教授を経て、昭和15年第一高等学校校長に就任した。戦後は、20年貴族院議員、21年幣原内閣の文部大臣、国立博物館長を経て学習院院長に就任した。また21年4月から34年7月まで、皇太子の学問に関する参与となった。夏目漱石在職の松山中学の卒業生という縁もあり、阿部次郎、小宮豊隆、和辻哲郎らとともに漱石門下の逸材といわれ、カント哲学の権威として知られていた。「カント実践哲学」「西洋古代中世哲学史」「西洋近世哲学史」「西洋道徳思想史」「孟子荀子」「岩波茂雄伝」など多くの著書がある。39年には勲一等瑞宝章を受けている。

出 典:『日本美術年鑑』昭和42年版(143-144頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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