加藤成之

女子美術大学学長、文化財保護審議会専門委員、加藤成之は、6月30日、肺気腫のため順天堂病院で死去した。享年75才。加藤成之は、明治26年(1893)東京都に生まれ、大正6年学習院高等科を卒業、同9年東京大学文学部美学美術史科を卒業、同10年大学院を終了した。大正10年東京美術学校講師となったが、大正11年~14年のあいだ、文部省より依嘱されてヨーロッパにおける美学教育を調査のため渡欧した。帰国後は、昭和3年私立東京高等音楽院、同5年私立日本音楽学校講師、同6年女子美術専門学校講師をつとめ、昭和9年には貴族院議員に選出された。昭和10年東北大学法文学部講師、同15年には女子美術専門学校副校長となり、同24年女子美術大学長になったが、同年辞職して昭和21年以降講師をつとめていた東京音楽学校校長に就任した。昭和27年以後は東京芸術大学音楽部長をつとめたが、同32年辞職して女子美術大学理事長兼学長に就任し、逝去まで在職した。長期のあいだ、音楽、美術の両域にわたる芸術教育へ貢献し、昭和41年には、勲二等瑞宝章をうけた。

• ■美術界年史（彙報）
• 1955年09月　文化勲章選考委員決る
• 1961年07月　東京五輪芸術展示特別委員会委員きまる
• 1949年07月　芸術大学両学部長決る

• ■物故者記事
• 高畠達四郎　

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