松村政雄

没年月日:1965/05/17
分野:, (学)

 奈良国立博物館美術室長松村政雄は5月17日、奈良市西浦病院で脳出血のため死去した。享年61才であった。京都絵画専門学校専攻科を卒業後、宮内省諸陵寮で模写事業にたずさわり、傍ら新文展に出品した。のち東京帝室博物館などで鑑査官補を勤め、昭和29年には奈良国立博物館鑑査委員、ついで資料室長、美術室長を歴任した。美術史学における研究の中心は垂迹美術であり、昭和37年4月、同博物館で開催された「神仏融合美術展」およびそれをまとめた大著「垂迹美術」はまさにライフワークの結晶であった。
略年譜
明治37年(1904) 1月3日福井市に生れる。
大正12年 京都市立美術工芸学校卒。
昭和2年 京都市立絵画専門学校専攻科卒。菊池契月に師事した。
昭和3年 宮内省諸陵寮で古美術品の模写に従事。
昭和11年 2月の第1回改組新帝展に「長雨のあと」が松村正雄として入選。
昭和13年 東京帝室博物館に転任。
昭和14年 第3回新文展に「牛」入選。
昭和18年 4月帝室博物館鑑査官補に任ぜられる。
昭和19年 10月奈良帝室博物館に転任。
昭和20年 3月正倉院監理官補を兼任。
昭和21年 4月帝室博物館出仕、正倉院監理署出仕を兼任。
昭和22年 5月国立博物館奈良分館文部技官となる。
昭和26年 2月同館学芸課長事務代理。
昭和29年 同館は27年奈良国立博物館となり、この年8月同館陳列品鑑査委員に任ぜられる。
昭和32年 5月同館資料室長。
昭和36年 11月同館美術室長。
昭和40年 5月没す。没後正六位勲五等瑞宝章を受けた。他に京都奈良文化財買取協議会協議員、奈良県文化財専門審議会専門委員、奈良市史編纂委員などを勤めた。
主 著 論文
春日宮曼荼羅(大和文華20号 昭和31年)
新出の春日水谷社の衝立絵(同上26号 昭和33年)
柿本宮曼荼羅図(同上32号 昭和35年)
らくがき絵(同上35号 昭和36年)
南倉和琴の所謂★★画について(書陵部記要7号 昭和31年)
厨子扉絵天部2人物図(国華858号 昭和38年)
春日大社、興福寺の絵画(春日大社興福寺 昭和36年近畿日本鉄道株式会社)
垂迹美術(奈良国立博物館 昭和39年 角川書店)

出 典:『日本美術年鑑』昭和41年版(109-110頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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