宮脇公實

没年月日:1969/01/24
分野:, (洋)

新制作協会会員の宮脇公實は、1月24日午後5時急性心不全のため東京都世田谷区の自宅で急逝した。享年52才。2月8日自宅で新制作協会葬が行なわれた。大正5年10月1日兵庫県小野市に生まれた。昭和11年多摩帝国美術学校に入学、同年春第23回光風会展に入選、また同年11月、新制作派協会の創立第1回展の公募に応じて、「バーの二人」「茶房の女」が入選した。翌12年同美校を中退したが、第2回新制作派展(12月8日~25日)へ出品<3点入選>しながら、召集されて日支事変から大東亜戦争へと、敗戦まで従軍、長期間やむなく製作活動を中断した。戦後、毎年新制作展に出品を重ね、昭和26年同展で受賞し協友となり、同31年会員に推された。戦後まもない22年から自宅で「小さい画家たちの家」を主宰し、児童美術教育に大きな功績を残した。その関係著書として、「絵遊び、作り遊び」(昭和38年、新書館発行)や「造形遊び」などがある。このような実践によって得た糧を自己の画作に活かし、無造作で奔放な子供の落書きを想わせる独自な作風を確立して注目された。朝日秀作美術展、毎日国際展、毎日現代美術展等に度々選抜されたり招待出品した。個展の開催も意欲的で戦後10数回に及んだ。アートクラブ会員(昭和35年入会)でもあった。代表作に、「庭の動物」(昭和31年)、「人間ドラマ」のシリーズ(同33年)、王様シリーズ「ショウチュウは歌う」(同38年)「健康に乾杯」(同39年)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和45年版(84頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「宮脇公實」『日本美術年鑑』昭和45年版(84頁)
例)「宮脇公實 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9203.html(閲覧日 2024-04-24)
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