田中墨外

没年月日:1957/04/19
分野:, (日)

仏画家田中墨外、本名前田全蔵は(田中家の次男で、後年母方前田家をつぐ)4月19日内臓ガンのため武蔵野市で逝去した。享年80歳。明治10年3月8日福井県小浜市に生れた。同22年上京、神田に移住し、31年から橋本雅邦に師事した。雅邦没後は独り截金仏画に専念し、絶滅に瀕していた截金の技術を復活し、更にその完成に生涯をささげた。昭和12年6月、及び同27年9月日本橋三越に於て多年の研究成果を発表する仏画個展を開いたほか、一切の展覧会に出品せず、截金による仏画の追求に終始した。作品は、昭和11年「赤不動」(明王院蔵)模写、昭和12年「愛染明王」(截金)(護国寺蔵)、同16年「釈迦如来」(截金)芝青松寺蔵、同18年「不動明王」(墨)成田山新勝寺蔵、同27年「観世音菩薩」(截金)国立博物館蔵等がある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和33年版(168頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

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例)「田中墨外」『日本美術年鑑』昭和33年版(168頁)
例)「田中墨外 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8856.html(閲覧日 2024-04-25)

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