彭城貞徳

没年月日:1939/01/04
分野:, (洋)

洋風画家彭城貞徳は、1月4日逝去した。享年82。安政5年2月11日長崎市に生る。同市の宏運館に学び、明治5年上京、同8年高橋由一の天絵学舎に入り、洋風画を初めて学ぶ。同9年工部美術学校に入学アントニオ・フオンタネージの薫陶を受く。其後一時石版会社玄々堂の図案部に入り、次で17年長崎に帰郷、長崎商業学校等に教鞭をとる。明治26年米国市俄古万国博覧会に際し渡米、費府美術学校に学ぶ。28年英国に渡り、ウオータールー石版会社に入り図案家として働く。明治30年仏蘭西に至り、滞留5年の後同34年帰朝す。36年長崎に帰郷、東山学院、鎮西学院、活水女子校等に生徒を指導し、傍ら画塾を開く。大正4年上京日本橋芳町に商家を構へ、余暇制作す。終世中央画壇との交渉を有たず知らるるところ尠かつたが、その作品は一種の風格を持つてゐる。又音楽に趣味を持ち、就中尺八は二代目一調として知られてゐた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和15年版(118頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「彭城貞徳」『日本美術年鑑』昭和15年版(118頁)
例)「彭城貞徳 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8499.html(閲覧日 2024-04-18)

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