風間完

没年月日:2003/12/27
分野:, (洋)

 洋画家で、新聞等の連載小説の挿絵で知られた風間完は、12月27日、がん性腹膜炎のため東京都港区の病院で死去した。享年84。1919(大正8)年1月19日、現在の東京都中央区新富に生まれる。1939(昭和14)年、東京高等工芸学校を卒業。2年間の兵役の後、画家を志し、43年の第8回新制作派協会展に初入選する。以後、猪熊弦一郎内田巌荻須高徳等に師事する。49年、第13回新制作派協会展に「堀」、「低地」、「舗道」3点を出品、新作家賞を受賞。はじめ雑誌編集者だった兄の縁で、山本周五郎等の小説の挿絵を描き、53年には、邦枝完二の新聞連載小説「恋あやめ」の挿絵を手がけた。翌年、第18回新制作派協会展に出品後、同協会会員となる。57年から2年間パリに留学、グラン・ショーミエール研究所に学んだ。64年、講談社挿絵賞を受賞。67年に再渡仏、フリード・ランデル工房にて銅版画を制作。69年、週刊誌『週刊現代』に連載された五木寛之の小説「青春の門」の挿絵を担当して注目される。翌年には『毎日新聞』に連載の司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」、他に『週刊文春』に64年から71年まで連載された松本清張の「昭和史発掘」、74年から82年まで『週刊朝日』に連載された池波正太郎の「真田太平記」、81年から翌年まで『日本経済新聞』に連載された瀬戸内晴美(寂聴)の「京まんだら」等など数多くの小説の挿絵を描いた。2002(平成14)年には、長年にわたる文学作品の挿絵制作に対して第50回菊池寛賞を受賞した。著書も多く、『画家の引き出し』(青娥書房、77年)、『エンピツ画のすすめ』(朝日新聞社、87年)、『旅のスケッチ帖』(角川書店、95年)、画集には『青春の門』(講談社、75年)、『風間完自選画集』(朝日新聞社、85年)等がある。鉛筆やパステルを使用した叙情的な風景画や情感豊かな女性像によって人気を得ていた。没後の2004年には、池波正太郎真田太平記館(長野県上田市)において追悼展「風間完が描く『真田太平記』の女たち」が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』平成16年版(307-308頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「風間完」が含まれます。
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