中䑓瑞真

没年月日:2002/04/23
分野:, (工)

 人間国宝(重要無形文化財保持者)で社団法人日本工芸会参与の中䑓瑞真は、4月23日午後1時50分、老衰のため東京都港区の自宅で死去した。享年89。1912(大正元)年8月8日、千葉県に生まれる。本名・眞三郎。14歳で上京して指物師竹内不山に師事し、箱物や茶の湯の道具類の指物を修業、ともに桑や杉、桐等の各種素材を駆使した伝統的な指物や透彫り、刳物等の木工芸を修得することに努めた。1933(昭和8)年、独立自営した。この頃から茶道を田中仙樵に学び、棚物や箱物等の茶道具の制作をよく修業した。また独学で刳物の伝統的な技法を高め、特に銘木桐材による制作に個性的な妙技を発揮した。62年第9回日本伝統工芸展に初入選を果たし翌年奨励賞を受賞するなど活躍し、65年以降には再々鑑査委員や審査委員、そして理事・木竹部会長を務めるなどして伝統木工の発展に寄与した。1993(平成5)年日本伝統工芸展40周年記念表彰を受けた。84年重要無形文化財「木工芸」保持者の認定を受け、いっそう後進の育成にも尽力した。茶道具の制作にも卓越した技量を発揮したが、軟質で杢目や木肌に優れた会津や南部の樹齢幾百年もの桐材をもって、刀の巧みな彫刻技術の仕上げにより特有の美しい光沢を表し気品を持たせ、かつ専有の高度な技術と洗練された感覚で盛器や蓋物等に清新で独自の木工作品を制作した。89年喜寿記念、92年傘寿記念、そして99年にも茶の湯の炉縁を多く手がけた米寿記念の個展を開催するなど、稀有となりつつある桐材の制作を主とする木工芸に特異な活躍を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成15年版(242-243頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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