佐藤明

没年月日:2002/04/02
分野:, (写)

 写真家の佐藤明は、4月2日肝腫瘍のため東京都世田谷区の病院で死去した。享年71。 1930(昭和5)年7月30日東京市麻布区(現・東京都港区)に生まれる。53年横浜国立大学経済学部卒業。在学中写真部に在籍、卒業後フリーランスの写真家として出発、主としてファッション写真の分野で活動する。57年には第1回「10人の眼」展(東京・小西六ギャラリー)に参加、59年東松照明、奈良原一高らと写真家の自主運営によるエージェンシー「VIVO」を結成するなど、戦後世代の旗手の一人として注目される。 大学在学中、占領軍CIE図書館(後のアメリカ文化センター)に通って海外のグラフ誌やファッション誌を濫読、欧米の写真表現の動向を研究し、「VIVO」結成時には、生命を意味するエスペラント語をグループ名に提案したといったエピソードにも現れているように、佐藤は伝統的な美意識にとらわれない、鋭敏で無国籍的な映像感覚によって日本のファッション写真に新たな表現を切り拓いた。 61年の個展「女たち」(東京・富士フォトサロン)や『カメラ毎日』に連載した「サイクロピアン」(62年)、「おんな」(63年)など、女性をモティーフにした連作で独自の作品世界を展開、また63年にはニューヨークに渡り、ヨーロッパを経て65年帰国。以後北欧を中心にヨーロッパの風土をテーマとする作品を多く手がけるようになる。 66年第10回日本写真批評家協会賞作家賞を受賞(「白夜」「おんな」などに対して)。1998(平成10)年第48回日本写真協会賞年度賞受賞(写真集『フィレンツェ』に対して)。主な写真集に『おんな』(中央公論社 1971年)、『ウィーン幻想』(平凡社 1989年)、『フィレンツェ』(講談社 1997年)など。遺作となった作品をまとめた『プラハ』(新潮社)が2003年に刊行された。

出 典:『日本美術年鑑』平成15年版(241-242頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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