鴨政雄

没年月日:2000/12/06
分野:, (工)

 彫金作家の鴨政雄は12月6日午前1時37分、肺炎のため香川県高松市の病院で死去した。享年94。1906(明治39)年8月31日、香川県高松市に生まれる。彫金作家の鴨幸太郎は実兄。1925(大正14)年、香川県立工芸学校を卒業し上京。1930(昭和5)年、東京美術学校金工科を卒業して研究科に進学し、清水南山海野清に師事(33年修了)。在学中の27年に北原千鹿らの「工人社」結成に参加し、新しい工芸を目指して制作活動を繰り広げる。足の切断で一時活動を休止したこともあったが、30年「彫金小筥」で第11回帝展に入選し、以後文展、日展を通じて入選を重ねる。戦前は飛行船や抽象文様などを用いた近代的な作風で注目された。43年に高松へ疎開し、戦後は高松で制作に励む。52年の「トカゲと蝶紋花瓶」で第8回日展特選・朝倉賞を受賞。59年から日展会員。66年に四国新聞文化賞を受賞し、67年から香川県明善短期大学にて教鞭を執る(69年から教授)。73年に山陽新聞文化賞を受賞し、同年香川県文化功労者表彰を受けた。85年、「彫金花瓶〈花と蝶〉」で第24回日本現代工芸美術展文部大臣賞を受賞。1994(平成6)年には香川県文化会館で回顧展「彫金の世界・蝶と草花-鴨政雄展」が開催され、96年には北海道立近代美術館ほかを巡回した「日本工芸の青春期1920s-1945」展に出品した。日本美術工芸界の最長老のひとりとして、晩年の第32回改組日展(2000年)まで制作・発表を続けた。

出 典:『日本美術年鑑』平成13年版(244頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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