真鍋博

没年月日:2000/10/31
分野:, (その他)

 イラストレーターの真鍋博は、10月31日午後4時40分がん性リンパ管症のため東京都新宿区の慶応病院で死去した。享年68。1932(昭和7)年、愛媛県宇摩郡別子山村に生まれる。57年、多摩美術大学大学院美術研究科を修了、在学中の55年には、池田満寿夫等と「実在者」を結成。60年、週刊誌『朝日ジャーナル』に連載された「第七地下壕」で、第一回講談社さしえ賞を受賞。翌年、久里洋二、柳原良平とともに「アニメーション三人の会」を結成、草月アートセンターで上映会を開催。以後、イラストレーターとして、SF小説の挿絵、装丁など、多方面で活動をつづけた。ことに、60年代から70年代にわたる高度成長期の時代のなかで、精緻な描写と繊細な感覚をあわせもつ近未来的なイメージは、ひろく受け入れ、親しまれた。しかも、その作品でも、発言でも、そこには鋭い文明批評的な視点を欠くことがなく、近年は、エコロジーに感心を寄せていた。80年代からは、郷里別子山村、および新浜市内の公共施設に数々の壁画やモニュメントを制作し、新居浜では「真鍋博 アートピアロード」と称されている。1996(平成8)年、池田20世紀美術館で個展を開催、また没後の2001年には、郷里の愛媛県美術館で「真鍋博回顧展」(会期:7月27日~9月9日)が開催され、ポスター、本等の印刷物から、アニメーション、原画等が展示され、その多彩な活動が回顧された。

出 典:『日本美術年鑑』平成13年版(240頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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