正井和行

没年月日:1999/05/12
分野:, (日)

 日本画家の正井和行は5月12日、脳こうそくのため京都市上京区の病院で死去した。享年88。1910 (明治43)年11月29日兵庫県明石市の商家に生まれる。本名幸蔵。隣家が美人画家、寺島紫明の実家だったこともあり、小学生の頃から絵に関心を寄せる。関西学院中学部を経て28(昭和3)年京都市立絵画専門学校に入学、同校では福田平八郎に師事する。33年研究科に進み、翌年第15回帝展に「淡路島餞暑」が初入選となるが、37年胸を患い療養のため大分に転居、翌年京都市立専門学校研究科を病臥のまま修了。大分では同地出身で生家にア卜リエを構えた師、福田平八郎のもとへ通う。戦後しばらくは大分県美術協会で活躍。50年より再び京都で本格的に活動を再開、52年第8回日展に「陶瓷」で入選を果たす。翌年福田平八郎の勧めもあり池田遥郎の主宰する青塔社に入塾、遥邨に師事。56年、第6回関西総合展で「エトルスクの土器」が南海賞を受賞。60年代後半より船の残骸や漂着物といった朽ちゆく造形をモティーフに展開、沈んだ色調のなかにうかぶ内省的風景画の世界を確立。72年改組第4回日展で「沢渡」、82年改組第14回日展で「補陀落の海」が特選となり、85年日展会員となる。87年京都府立文化芸術会館で京都府企画展シリーズによる回顧展開催。89(平成元)年京都市芸術功労賞、翌年京都府文化賞功労賞を受賞。95年大分県立芸術会館において回顧展「正井和行―静誼のなかの心象の世界」が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』平成12年版(258頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
to page top