林美一

没年月日:1999/03/31
分野:, (学)

 江戸文芸研究家、時代考証家の林美一は3月31日午後11時5分、パーキンソン病のため神奈川県逗子市の病院で死去した。享年77。1922(大正11)年、大阪に生まれる。大阪市立東商業高校を卒業し、大映京都撮影所宣伝部に勤務。溝口健二監督作品の時代考証を手がける。51(昭和26)年、個人研究誌「未刊江戸文学」を創刊する。同誌の刊行は全17冊別巻7冊にのぼった。59年「江戸文学新誌」を創刊し、同誌6冊を刊行。60年、大映京都撮影所を退社し、江戸文学、浮世絵の研究家として独立する。同年、『艶本研究国貞』を刊行。同書は、散逸している艶本を再現した意義と価値は認められながらも、わいせつ図画販売罪で有罪となった。江戸の艶本研究の第一人者として活躍し、著書に『艶本研究シリーズ』(全14巻、有光書房、1960―76年)、『時代風俗考証事典』(河出書房新社、1977年)、『江戸看板図譜』(三樹書房、1977年)、『江戸の枕絵師』(河出書房新社、1987年)、『江戸枕絵師集成』(全20巻、別巻2巻、内既刊5巻、河出書房新社、1989年―)、『江戸の24時間』(河出書房新社、1989年)、『艶本江戸文学史』(河出書房新社、1991年)、『浮世絵春画名品集成』(全24巻、別巻3、河出書房新社、1995年)などがある。映画、舞台、テレビ番組などの時代考証家としても活躍し、「北斎漫画」「キネマの天地」「近松心中物語」などの映画、演劇の時代考証の業績によって日本風俗学会・江馬賞を受賞した。

出 典:『日本美術年鑑』平成12年版(254-255頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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