市村緑郎

没年月日:2014/04/27
分野:, (彫)

 彫刻家で日本芸術院会員、埼玉大学名誉教授の市村緑郎は4月27日、間質性肺炎のため死去した。享年78。
 1936(昭和11)年4月21日、茨城県下妻市に生まれる。62年東京教育大学(現、筑波大学)教育学部芸術学科彫塑専攻を卒業。在学中の61年に第4回日展へ「遠碧」を出品、初入選を果たす。62年第38回白日会展に「トルソーⅠ、Ⅱ」が初入選し白日賞を受賞。また同年より東京都立大泉高等学校で教鞭を取る。67年白日会会員に推挙。71年埼玉大学教育学部に助手として着任し、翌年に講師、83年に教授となり、2002(平成14)年に定年退官するまで彫刻実技、彫刻理論を中心に学生を指導、講座運営に尽力する。74年第4回日彫展、76年第6回日彫展で努力賞、77年第7回日彫展で日彫賞を受賞。77年文部省短期在外研究員として渡欧、イタリアを中心にヨーロッパの彫刻と美術教育について研究する。78年改組第10回日展で「腰掛けている人」、翌年第11回展で「腰掛けている女」で特選を受賞。82年第2回高村光太郎大賞展で「バランス」が佳作賞、84年第3回同大賞展で「融化A」が優秀賞を受賞。同賞の受賞をきっかけに屋外彫刻にも積極的に取り組み、86年には高村光太郎大賞の後を受けた第1回ロダン大賞展で「雲」が優秀賞、88年第2回同大賞展で「日は西に―明日へ」が彫刻の森美術館賞を受賞する。この間87年に日展会員に推挙。88年第64回白日会展で「明日に」が吉田賞を受賞、その後も同会の95年第71回展で「記憶」が長島美術館長賞、2002年第78回展で「こしかけているひとⅡ」が中澤賞と受賞を重ねる。89年第3回現代日本具象彫刻展で「森の詩」が大賞を受賞。94年第26回日展で「リラ」が日展会員賞を受賞。01年日展評議員に就任。02年に埼玉大学を定年退官し名誉教授となり、崇城大学芸術学部教授に就任。03年には「空遠く」で第35回日展内閣総理大臣賞を受ける。一貫して塑造による人体像を追究し、強い構築性をベースとした滑らかな肢体が生み出す無駄のない造形性による作品を発表した。また中央での精力的な活躍のみならず、地域への貢献という点でも埼玉県展の審査員や代表委員等の要職を歴任し、市民文化の向上に寄与した。06年、前年の第37回日展出品作である「間」で日本芸術院賞を受賞、08年日本芸術院会員となる。同年日展理事(09年に常務理事)、日本彫刻会理事(12年に理事長)に就任。没後の2016年に『市村緑郎彫刻作品集』(求龍堂)が刊行された。

出 典:『日本美術年鑑』平成27年版(501-502頁)
登録日:2017年10月27日
更新日:2017年10月27日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「市村緑郎」が含まれます。
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