内山英明

没年月日:2014/04/14
分野:, (写)

 写真家の内山英明は4月14日、脳出血のため死去した。享年65。
 1949(昭和24)年12月7日静岡県菊川町(現、菊川市)に生まれる。76年東京綜合写真専門学校中退。日本各地で旅役者や傀儡師を取材、78年の「粧像記」(銀座ニコンサロン)、81年「日本劇場・梅沢家の人々」(新宿ニコンサロン)などで発表し評価される。80年代には自らと同世代である30代の作家や音楽家などの表現者の撮影、また80年代後半からは「迷宮都市」というテーマで世界各地の都市の撮影に取り組んだ。1992(平成4)年から2年にわたり、日本で初めて性行為によるHIV感染を公表した平田豊の支援活動に関わるとともに、彼を取材した『いつか晴れた海で―エイズと平田豊の道程』(吉岡忍との共著、読売新聞社、1994年)を刊行。
 93年に東京の未来的な都市空間を撮影する過程で地下施設を取材、これをきっかけに都市の地下空間をテーマとする撮影に着手。それらの仕事をまとめた2000年の個展「JAPAN UNDERGROUND 地下の迷宮 II」展(銀座ニコンサロン、2000年)により、第25回伊奈信男賞を受賞。同年写真集『JAPAN UNDERGROUND』(アスペクト)を刊行。同シリーズはこれ以降08年の第4集まで刊行され、その第3集『JAPAN UNDERGROUND3』および、夜の都市風景をテーマとする『東京デーモン』 (ともにアスペクト、2005年) により、第25回(2006年)土門拳賞、また都市の地下に取材した一連の仕事により、06年日本写真協会賞年度賞を受賞した。
 13年には、東日本大震災による福島原発の事故以前から日本各地で原子力関連の実験施設や研究所に取材を重ねていた作品による個展「アトムワールド」(新宿ニコンサロン)を開催するなど、都市やその地下に取材した90年代以降の一連の仕事は、いずれも文明史的なスケールを持ち、同時代に対する鋭い洞察をはらんだ仕事として高く評価された。
 上記以外の主な写真集に『等身大の青春―俵万智』(深夜叢書社、1989年)、『都市は浮遊する』(講談社、1993年)、『東京エデン』(アスペクト、2007年)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』平成27年版(500頁)
登録日:2017年10月27日
更新日:2017年10月27日 (更新履歴)
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