吉村芳生

没年月日:2013/12/06
分野:, (美)

 美術家の吉村芳生は12月6日、間質性肺炎のため死去した。享年63。
 1950(昭和25)年7月24日、山口県防府市で生まれる。創設されたばかりの山口芸術短期大学に進みデザインを学ぶ。71年に同大学を卒業後、山口県周南市の広告代理店にデザイナーとして勤務するが体調を崩し、5年ほどで退職。76年上京して創形美術学校に入学、版画を学ぶ。この頃より克明な鉛筆画を発表、その手法は高圧のプレス機で新聞のインキを紙に転写した後、それに基づいて鉛筆で描き起こした「ドローイング 新聞 毎日新聞 1976年11月6日」(1976-78年)や、17mに及ぶ金網を一旦描く紙に押し付けて、そこに残ったわずかな痕跡を鉛筆でなぞった「ドローイング 金網」(1977年)のように極めて機械的であり、アメリカの現代美術を紹介する展覧会で衝撃を受けたアンディ・ウォーホルの作品に通ずるものであった。80年より郷里の公募展である山口県美術展覧会を主な発表の場とし、同県を中心とする地域で活動、85年に山口市徳地に移住する。2007(平成19)年山口県美術展覧会で「コスモス 徳地に住んで見えてくるもの(色鉛筆で描く…)」により大賞を受賞。同年、東京の森美術館で開催された「六本木クロッシング2007 未来への脈動」展で、「ドローイング 新聞 毎日新聞 1976年11月6日」や「ドローイング 金網」といった吉村の出発点ともいえる作品が紹介され、多くの美術関係者に知られるところとなる。10年山口県立美術館にて「とがった鉛筆で日々をうつしつづける私 吉村芳生展」が開催されている。

出 典:『日本美術年鑑』平成26年版(472頁)
登録日:2016年09月05日
更新日:2016年09月05日 (更新履歴)
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