西大由

没年月日:2013/06/20
分野:, (工)

 鋳金家の西大由は6月20日、急性心不全により死去した。享年90。
 1923(大正12)年5月25日、福岡県築上郡に生まれる。1941(昭和16)年、東京美術学校工芸科鋳金部入学、高村豊周丸山不忘内藤春治に師事する。在学中の43年から45年まで兵役に就き、戦後学校に復帰する。47年東京都練馬区石神井町にアトリエを構え、同年「春之意香炉」を第3回日展に出品、初入選する。48年同校を卒業し、岐阜県多治見市の多治見製作所鋳金技師となる。53年、東京藝術大学美術学部助手となり、同年から薬師寺東塔水煙及び月光菩薩台座の修理に従事する。55年、第11回日展で「青銅壺」が特選、翌年無鑑査となった。61年社団法人第4回新日展で「泪羅に立つ」が菊華賞を受賞し、翌年会員に推挙される。63年第6回高村光太郎賞を受賞する。69年、東京藝術大学美術学部助教授、78年に教授となる。作品の公募展での発表は51年の第7回日展から、88年の改組第20回日展まで、日展が中心であったが、1989(平成元)年から日本伝統工芸展に出品するようになる。その間、79年には日本新工芸連盟創設に参加し、86年まで出品している。86年には、日本丸、海王丸の船首像を制作した。91年に東京藝術大学を定年退官し、同大学名誉教授となる。
 作家としての制作活動のほか、日本金工の歴史、古代鋳造技術の研究も行い、64年から80年まで東大寺大仏の鋳造と補修に関する技術的研究を続け、同校の紀要にその成果を発表した。また88年、文化庁文化財保護審議会専門委員を務める。2000年、勲三等瑞宝章を受章した。
 作品は青銅あるいは朧銀による壺や花入れなど伝統的な形象に、色上げの工夫を行い、また鳥や動物、果実など自然からのモチーフを抽象化して表現し、極限まで単純化した造形には独特の抒情性を醸成している。

出 典:『日本美術年鑑』平成26年版(457-458頁)
登録日:2016年09月05日
更新日:2016年09月05日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「西大由」が含まれます。
to page top