村野守美

没年月日:2011/03/07
分野:, (漫)

 漫画家の村野守美は、3月7日心不全のため東京都府中市の病院で死去した。享年69。
 村野(本名、佐藤守)は1941(昭和16)年9月5日、中国の満洲(現、中国東北部)の大連に生まれた。48年に引き上げ、幼少期を福島県会津若松で過ごした。高校を中退後、上京し手塚治虫に師事する。一時期手塚の虫プロダクションで働き、「鉄腕アトム」などの原画を描いた。60年『少年』の夏増刊号にロボットものの「弾丸ロンキー」でデビューする。78年、『週刊漫画アクション』に連載した「ボクサー」が高い評価を得る。また79年『ビッグコミックオリジナル』におてんばな老婆を主人公にした「垣根の魔女」を連載、ともに代表作といわれる。「草笛のころ」や「だめ鬼」など彼の多くの作品は青年誌に掲載されていった。日常をきめ細かく取材する視点から紡ぎだされるストーリー、そしてやわらかな美しい輪郭線にみられる確かな画力により、多くのファンを持った。漫画家永島慎二は村野を「人間の心を読ませる事の出来る数少ない作家の一人」といった。アニメーションも手がけ、「佐武と市捕物帳」や「ムーミン」の制作演出にも携わり、「ユニコ―魔法の島へ」(1983年)は、脚本・監督をしている。童話や絵本も多数上梓しているが、80年代半ばから、宮沢賢治や高村光太郎などへモチーフを広げていき、外国の古典、「ピーターパン」「シンドバットの冒険」などを描いた。90年代、「神々の指紋」で著名なグレーアム・ハンコックを原作とした作品、また池波正太郎の江戸ものを手がけた。

出 典:『日本美術年鑑』平成24年版(427頁)
登録日:2015年12月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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