守田公夫

没年月日:1997/03/07
分野:, (学)
読み:もりたきみお

 奈良国立文化財研究所工芸室長をつとめた染織史家守田公夫は3月7日午後3時36分、肺炎のため神奈川県厚木市の病院で死去した。享年89。明治41(1908)年2月15日、熊本県に生まれる。昭和2(1927)福岡県立小倉中学校を卒業し、翌3年4月弘前高等学校文科甲類に入学。同6年同校を卒業して東京帝国大学文学部に入学する。同大学在学中の同8年8月、帝室博物館(現・東京国立博物館)研究員となり同館美術課に配属となった。同9年同大学文学部美学美術史学科を卒業。同15年同館研究員を免ぜられるとともに、同館勤務を命じられる。同20年5月、博物館を依願免官となり、戦後は、同23年から同26年まで繊維貿易公団に勤務する。同27年9月、奈良国立文化財研究所美術工芸室勤務となり、同36年同所美術工芸研究室長となった。この間、同30年から奈良女子大学非常勤講師をつとめる。このほか、日本伝統工芸展審査員、滋賀県文化財専門委員、京都府文化財専門委員、龍村美術織物顧問、永青文庫評議員をつとめ、聖母女子大学でも教鞭をとった。同45年奈良国立文化財研究所を停年退官した。著書に『日本の染織』(アルス社)、『日本の文様』(アルス社)、『名物裂』(淡交社)、『日本絵巻物全集 北野天神絵巻」(角川書店)、『日本被服文化史』(柴田書店)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』平成10年版(392頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「守田公夫」『日本美術年鑑』平成10年版(392頁)
例)「守田公夫 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10695.html(閲覧日 2024-03-28)

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