吉岡道隆

没年月日:1995/01/02
分野:, (学)
読み:よしおかみちたか

 筑波大学名誉教授、東京家政学院大学教授のデザイン家吉岡道隆は1月2日午後10時20分肺がんのため東京都港区の病院で死去した。享年70。大正13(1924)年4月22日新潟県高田市大手町250番地に生まれる。昭和21(1946)年東京美術学校工芸科漆工科を卒業して同研究科に進学。同22年第3回日展に「柳文文具飾箱」で初入選、同23年第4回日展には「棚」、同24年第5回日展には「金属漆器盛器」、同25年第6回日展には「漆器装飾壁面」、同27年第7回日展には「PORTABLE RADIO」、同27年第8回日展には「装飾壁面ノ部分 昼と夜」を出品した。また、同22年4月より30年5月まで東京国立博物館学芸部工芸課漆工室に勤務。この間同26年4月より同30年5月まで文化財保護委員会無形文化課工芸技術部員をもつとめる。同29年5月渡米しクランプルック・アカデミー・オブ・アーツに入学して同30年に同校を卒業。同年米国シカゴのイリノイ工科大学大学院で工業デザインを学び、同33年6月同校より工業デザインの修士号を受ける。同34年千葉大学工業短期大学部助教授となり、同35年同大工学部助教授となる。同年11月より翌36年5月までイタリアに滞在してイタリア共和制百年記念国際博覧会日本館の展示にあたる。同37年同大工学部教授となり機器意匠学を担当する。同38年7月より11月まで中国に滞在して同地の工業デザインについて調査し、同40年『中華民国に於ける産業開発と工業意匠の教育の計画』を刊行する。同51年筑波大学芸術学研究科教授となり生産デザインについて講ずる。同63年同大を退職し、同名誉教授となり、また同年より東京家政学院大学人文学部工芸文化学科教授となった。同40年から51年まで日本インダストリアル・デザイナー協会理事、同49年以降日本デザイン学会理事をつとめ、同46年から58年までは優良デザインに与えられるGマーク商品審査をつとめた。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(308頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「吉岡道隆」『日本美術年鑑』平成8年版(308頁)
例)「吉岡道隆 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10685.html(閲覧日 2024-04-26)
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