池上忠治

没年月日:1994/06/28
分野:, (学)

 神戸大学教授で美術史家の池上忠治は6月28日午後10時45分、胃ガンのため神戸市中央区の神戸大学病院で死去した。享年57。昭和11(1936)年7月30日新潟県に生まれる。同35年東京大学文学部美術史学科を卒業し、同37年東京大学大学院美学美術史修士課程を修了。同年より東京大学文学部助手をつとめる。同38年フランス政府給費留学生としてフランスに渡り、パリ大学美術考古学研究所、エコール・ドゥ・ルーヴルに学ぶ。同41年帰国。同43年神戸大学文学部講師、同46年同助教授、同56年同教授となった。西洋美術史、特にフランスの18、19世紀美術史を専攻し、当時の日仏美術交流の一面を示すジャポニスムについて早くから調査・研究を進めた。おもな著書に『フランス美術断章』(美術公論社)、「随想フランス美術」(大阪書籍)、『世界美術大全集』第22巻「印象派の時代」第23巻「後期印象派の時代」(小学館)、訳書にリウォルド編『セザンヌの手紙」(筑摩書房、美術公論社)、ルネ・ユイグ著『イメージの力』(美術出版社)、矢代幸雄著『サンドロ・ボッティチェルリ』 (共訳、岩波書店)などがある。神戸大学文学部教授として教鞭を取り、また美術史学会西支部委員として学界に貢献したほか、ジャポネズリー研究学会常任理事をつとめた。神戸大学文学部発行の「芸術学芸術史論集」第7号に追悼文、年譜、文献目録が載せられている。

出 典:『日本美術年鑑』平成7年版(350頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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