吉原通雄

没年月日:1996/02/18
分野:, (美)
読み:よしわらみちお

 具体美術協会のメンバーで、現代美術家の吉原通雄は、2月18日午後6時49分、脳内出血のため死去した。享年63。昭和8(1933)年兵庫県芦屋市に生まれ、父は美術家の吉原治良。関西学院大学在学中の同29年、具体美術協会の結成に参加、第1回展から同47年の第21回展まで、毎回出品した。第1回展では、地面にひろげたベニヤ板に、コールタールを流し、上から砂をふりかけ、アスファルト道路をはぎとったような絵画作品を出品した。同33年の大阪で開催された第2回「舞台を使用する具体美術」発表会では、美術と舞踏を融合させた「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を演出した。同40年には、オランダとドイツの前衛グループ「ヌル」が主宰するヌル国際展に、具体グループが招かれ、父治良とともにアムステルダムのステデライクミュージアムに赴き、展示にあたった。具体美術協会解散後は沈黙していたが、近年再び活動をはじめていた。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(344頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「吉原通雄」『日本美術年鑑』平成9年版(344頁)
例)「吉原通雄 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10675.html(閲覧日 2024-03-29)
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