進藤蕃

没年月日:1998/04/17
分野:, (洋)

 洋画家の進藤蕃(本名、しげる)は、頸部腫瘍のため東京都港区の病院で死去した。享年65。昭和7(1932)年、東京都に生まれ、同27年、東京芸術大学美術学部油画科に入学、在学中は小磯良平の指導をうけ、同31年に首席で卒業、大橋賞をうけた。同35年、フランス政府給費留学生として渡仏、パリのエコール・ド・ボーザールにて、モーリス・ブリアンションに師事した。帰国後、安井賞展に5回出品するほか、女子美術大学、東京芸術大学、愛知県立芸術大学などで、非常勤講師をつとめた。同42年には、中根寛、小松崎邦雄とともに濤々会を結成、また同49年には井上悟、橋本博英、大沼映夫、山川輝夫などと黎の会を結成、東京セントラル美術館で展覧会を開催した。国内外を取材のため精力的に歩くが、なかでも中国の風景をテーマに、同58年にパリのグランパレ美術館にて、第10回FIAC展(国際現代美術展)において個展を開催した。平成6年には、「両洋の眼」展に出品、また笠井誠一、福本章とともに三申会展を開催した。南ヨーロッパをおもわせる明るい陽光のもとでの風景画、あるいは室内の静物画を得意としたが、ことに中国の桂林などでの取材旅行からうまれた80年代の一連の風景画は、明快な色彩構成のうちに深い情感をたたえるもので、コロリストとしての画家の資質がもっとも発揮され、質の高い具象表現となっていた。

出 典:『日本美術年鑑』平成11年版(422頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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