中村善種

没年月日:1995/12/26
分野:, (洋)

 独立美術協会会員の洋画家中村善種は、12月26日正午、肺気しゅのため京都市左京区の自宅で死去した。享年81。大正3 (1914)年2月15日、和歌山市に生まれ、昭和13(1938)年に和歌山師範学校専攻科を卒業、この年の第8回独立美術協会展に「カンナと糸杉」が初入選、同協会会員の森有材に師事した。同17年の第12回展に出品した「竹」、「栗鼠」によって独立賞を受賞。戦後もひきつづき同展に出品し、同24年に会員となった。同41年の第34回展に出品した「作品A」、「作品B」によってG賞受賞。この時代には、一時象形文字や甲骨文字をヒントにした土俗的な抽象表現を試みていた。同49年に京都市立芸術大学教授となり、同56年から平成6年まで大手前女子大学教授として指導にあたった。昭和59年、京都府文化賞、同61年には京都市文化功労賞、さらに翌年には和歌山市文化賞を受賞した。同60年に『中村善種画集』を刊行した。近年、都会の一隅の情景、あるいはそのかたすみに、おきすてられた事物がモチーフとなり、それらをプリズムのなかで交錯させたかのように虚実を織りまぜながら構成し、現代的な心象風景にしたてた作品を毎回出品していた。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(334頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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