瀬戸浩

没年月日:1994/05/11
分野:, (陶)
読み:せとひろし

 益子焼の陶芸家瀬戸浩は5月11日午前9時10分肺がんによる呼吸不全のため栃木県河内郡南河内町の病院で死去した。享年53。昭和16(1941)年2月26日徳島市に生まれ、幼少期を鳥取市で過ごす。昭和39年京都市立美術学校工芸科陶磁器専攻科を卒業。富本憲吉近藤悠三藤本能道、清水九兵衛に師事し、在学中の同38年日本伝統工芸展に「白い壷」で初入選。新匠展にも入選する。同40年栃木県益子に築窯。同46年日本陶芸展に「灰釉刷毛目鉢」で初入選し、以後同展に出品を続ける。同47年アメリカインディアナ大学、南コロラド州立大学講師として招聴され、渡米。翌48年ニューヨーク、コロラド、インディアナ州立美術館で個展を開催する。同49年、東京の南青山グリーンギャラリーで個展「原色による試み」を開催。同51年には同ギャラリーで個展「建築空間の為に」を開催し、従来の陶芸にとどまらず、新局面への模索を続けた。同53年国際交流基金によりフィリピン、タイ、インドネシアへ派遣され、また同年オーストラリア「アートヴィクトリア’78」に招聘されるなど、国際的にも活躍。同58年北関東美術展に「ストライブの板皿」を出品して優秀賞受賞。同年第7回日本陶芸展に「黒紬銀条文板皿」を出品して外務大臣賞を受賞する。同60年朝日陶芸展に招待出品。同58、60、61年には三越本屈にて「ストライプ」と題して個展を開催している。同55年東北新幹線宇都宮駅陶壁画「栃の木讃歌」等、公共の場の壁画も制作した。

出 典:『日本美術年鑑』平成7年版(348頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月26日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「瀬戸浩」『日本美術年鑑』平成7年版(348頁)
例)「瀬戸浩 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10540.html(閲覧日 2024-04-25)

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