鹿島一谷

没年月日:1996/11/23
分野:, (工)

 布目象嵌の技術を伝承する金工家で区に指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の鹿島一谷は11月23日午後零時20分、老衰のため東京都台東区池之端の自宅で死去した。享年98。明治31年5月11日、東京都下谷区に生まれる。父一谷光敬、祖父一谷斎光敬と金工を家業とする家の長男で本名栄一。同45年下谷高等小学校を卒業。父、祖父より布目象嵌を、後藤一乗、関口一也、関口真也父子に彫金を学び、父が早世したため20歳で独立する。昭和4(1929)年第10回帝展に一谷の名で「焔文様金具」で初入選。同7年第13回帝展に栄一の名で「朧銀布目水鴛文盆」を出品する。同24年第5回日展に「金工水牛文花器」で特選受賞。同30年社団法人日本工芸会の創立に参加し同会正会員となる。同32年3月文化財保護委員会により、記録作成等の措置を投ずるべき無形文化財布目象嵌の技術者として選択される。同39年、唐招提寺蔵国宝金亀舎利塔保存修理、同40年山形県天童市若松寺重要文化財金銅観音像懸仏保存修理に従事する。同54年国指定重要無形文化財保持者の認定を受ける。同59年、東京都日本橋三越本店で初めての個展を開催し、その後同じく日本橋三越本店で同63年、平成5、7年に個展を開催。平成2(1990)年には日本橋三越本店で「人間国宝 音丸耕堂鹿島一谷」展を開催した。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(354頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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