大野昭和斎

没年月日:1996/08/30
分野:, (工)

 国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の木工芸家大野昭和斎は8月30日午前5時36分、肺炎のため岡山県倉敷市の倉敷平成病院で死去した。享年84。明治45(1912)年3月4日岡山県総社市八代244番地に大野斎三郎の長男として生まれる。本名片岡誠喜男(かたおか・せきお)。大正9(1920)年、一家で倉敷市西阿知町に移住し、同15年西阿知尋常高等小学校を卒業して同年より父に木竹工芸の手ほどきを受ける。昭和10(1935)年文人画家柚木玉邨より「昭和斎」の号を授受。同12年中国四国九県連合展に「松造小箱」を出品して特賞受賞。同13年より岡山県工芸協会工芸展に出品し同14年同会評議員となる。同38年日本工芸会中国支部展に「桑盛器」を出品して支部長賞受賞。同40年第12回日本伝統工芸展に「欅香盆」で初入選し、以後同展に出品を続け、同43年第15回同展に「拭漆桑飾筥」で日本工芸会会長賞を受賞して、同年日本工芸会正会員となる。同49年「木創会」を創立し、伝統工芸の保護と後進の指導にあたった。同52年岡山県重要無形文化財の指定を受け、同59年には国の重要無形文化財「木工」保持者となった。また、同年日本工芸会参与となる。同60年人間国宝認定記念展として「大野昭和斎-木のこころ」展が倉敷市主催により市立美術館で開催される。平成4(1993)年『人間国宝大野昭和斎の木工芸』が至文堂より刊行され、また同年その出版記念として「傘寿 人間国宝大野昭和斎木工芸展」が倉敷三越百貨店で開催された。指物、くり物、木象嵌、すり漆等の諸技術を総合的に駆使し、伝統技術を現代の器に生かす試みを続け、木目に金箔を擦り込む「杢目沈金」の技法を創出して知られた。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(351頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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