野口園生

没年月日:1996/07/25
分野:, (工)

 衣裳人形作家で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)の野口園生は7月25日午後5時10分、心不全のため静岡県伊東市大室高原の自宅で死去した。享年89。明治40(1907)年1月23日東京府下谷区谷中清水町1番地に生まれる。大正13(1924)年、東京市立女子第一技芸高等女学校(現・東京都立忍岡高校)を卒業。昭和12(1937)年堀柳女人形塾に入門し、翌13年申戌会芸術人形展に「みぞれ降る日」を出品。同14年童宝美術院人形展に「家路」を出品して奨励賞、同15年同展に「遊山」を出品して優秀賞を受ける。同18年戦時下にあって堀人形塾が解散したため、しばらく制作を中断するが、戦後再開し、同22年第3回日展に「宴の途」を出品。同23年第1回東京都工芸協会展に「秋の草」を出品して二等賞、翌年の同展には「港町」を出品して同三等賞を受賞した。同25年人形塾を開き、また同年の現代人形美術展に「雨後」を出品して朝日新聞社賞受賞。同28年の現代人形美術展では「霧の朝」で努力賞を受賞する。同30年より蒼園会を主宰し銀座松屋で展覧会を開催する。同31年日本伝統工芸展に入選して以後同展に出品を続け同34年日本工芸会会員となった。同37年日本伝統工芸展新作展に「寂秋」を出品して奨励賞受賞。以後も日本伝統工芸展、同新作展に出品を続ける。同59年喜寿記念『ごくらく一寸のぞきみ』を刊行。同61年国指定重要無形文化財保持者(衣裳人形)に認定され、同年『野口園生人形作品集』が刊行された。同62年より平成5年まで人間国宝新作展に小品の出品を続けた。日常生活に根ざした季節感、自然の情趣を大胆にデフォルメした人体によって表現し、独自のフォルムと詩情を持つ作風を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(350-351頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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