西出大三

没年月日:1995/07/08
分野:, (工)
読み:にしでだいぞう

 重要無形文化財保持者(人間国宝)で日本工芸会参与の西出大三は7月8日午前4時30分、脳こうそくのため東京都中野区の慈生会病院で死去した。享年82。大正2(1913)年6月7日石川県江沼郡橋立村字橋立に生まれ、昭和7(1932)年石川県立第一中判交を卒業して東京美術学校彫刻科に入学。木彫および古美術品の修理を学ぶ。特に仏像にほどこされた截金に興味を抱いて研究を進める。また、同7年より25年まで袈裟の研究も行った。同12年同校卒業。同13年第21回二科展に「裸婦」で入選。同21年春第1回日展に木彫「あま」を出品。同30年に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」として選択された截金の技術保持者として同年より翌31年にかけて記録作成にたずさわる。同33年第5回日本伝統工芸展に「截金彩色飾合子富士」を出品して技術賞を受賞。同34年東京芸術大学で截金についての特別実習および特別講義を行って以降、国内外で截金技術の紹介を行う。同60年国の重要無形文化財保持者に選ばれた。日本工芸会理事、財団法人民族衣装文化普及協会評議員、日本七宝作家協会顧問をつとめ、截金のみならず七宝、ガラスなど従来注目されていなかった諸分野の発展、向上に尽くした。香合、合子、置物、盤などの古典的器物のほか木彫の置物、絵画にも繊細な截金装飾をほどこし、伝統技法を今日の造形に活かした。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(322頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「西出大三」『日本美術年鑑』平成8年版(322頁)
例)「西出大三 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10517.html(閲覧日 2024-03-29)

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