古田行三

没年月日:1994/12/22
分野:, (工)

 国指定重要無形文化財「本美濃紙」の保持団体「本美濃紙保存会」会長をつとめた古田行三は12月22日午前6時55分脳こうそくのため岐車県美濃市蕨生1914-1の自宅で死去した。享年72。大正12(1923)年3月10日岐阜県美濃市蕨生1914-1に父恒二、母なつの長男として生まれる。昭和11(1936)年下牧高等小学校卒業。同年4月製紙試験場で古田健ーに実技研修を受け、同年5月より自宅で父母の指導のもとに紙漉きを学ぶ。同15年紙業界不況のなかで漉き手として自立するが、同18年徴兵され、同20年12月復員するまで家業を離れる。紙漉き業界は戦時下の原料統制、戦後の混乱のなかで低迷し、同30年代の高度成長期には後継者不足に悩んだ。こうしたことから、同35年那須楮を原料としている紙漉き業者が協議して生産協同組合を結成、同43年同組合を「本美濃紙保存会」と改称し、その初代会長となる。同会は翌44年文部省により重要無形文化財保持団体の認定を受ける。同50年代後半から文化財保存等の観点から美濃紙が再評価され、海外での紙漉きの実演、指導等が行われるようになり、一方、原料を海外に求める等、生産技術の革新も試みられるようになった。原料問屋が紙の市場を支配し、紙漉き人は問屋から楮を借りて生産するという旧体質を改善し、洋紙の大量生産によって衰退の一途を辿りつつあった美濃紙の紙漉ぎ技術を守り伝えることに尽力した。

出 典:『日本美術年鑑』平成7年版(359頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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