里見宗次

没年月日:1996/01/30
分野:, (デ)

 グラフィックデザイナーの里見宗次は、1月30日午前2時40分、心不全のため奈良県大和郡山市の病院で死去した。享年91。明治37(1904)年11月2日大阪府住吉区に実業家の三男として生まれる。幼少期には長兄の同級生だった小出楢重が里見家に出入りし、その感化を受ける。東京の美術学校受験のため、日本画家の井口華秋に師事するが、フランスより帰国した小出の留学生活を目のあたりにし、パリ行きを決意。大正11(1922)年フランスに渡り、同23年に日本人で初めてエコール・デ・ボザール(パリ国立美術学校)の本科に入学。最初は油絵を学んだが、自活のためショパン広告社、のちフレガット広告社に勤務、商業美術に転じ戦前のパリで「ムネ・サトミ」の名前で活躍する。昭和3(1928)年に制作したゴロワーズのたばこポスターで国際的に注目され、同9年KLMオランダ航空のポスター等、アール・デコ様式の作風を展開、グラフィックデザイナーとしての地位を確立した。12年のパリ万国博覧会で日本国有鉄道のポスターが名誉賞と金杯を受賞。第二次世界大戦で一時帰国、外務省よりタイ・仏印国境画定委員としてサイゴンへ派遣、のちバンコクへ移りそこで終戦を迎える。以後もバンコクに残り、同27年に再び渡仏、制作を行った。同49年勲三等瑞宝章を受章。平成元(1989)年に帰国。作品集に『巴里花画集』(京都書院 平成3年)、著書に『のすどディアマン―ある広告美術家の歩いた道』(昭和56年)がある。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(344頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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