岡秀行

没年月日:1995/09/26
分野:, (デザイン)

 アート・ディレクターで呉学園・日本デザイナー学院名誉院長の岡秀行は、9月26日午後1時23分心不全のため東京都中野区の中野総合病院で死去した。享年90。明治38(1905)年4月11日福岡県に生まれる。関東大震災の直後に上京し、図案家門屋秀雄に図案を学ぶ。昭和10年図案、写真撮影を併せて行う「オカ・スタジオ」を創設。戦後、商業デザイン産業が発展するなかで同業団体の設立に尽力し、同25年日本宣伝美術会創立に参加して同会の事務所をオカ・スタジオに置いた。同27年東京商業美術家協会を設立して同会委員長となる。同37年には地方17団体の結束を促して全国商業美術家連盟を結成し、その理事長に就任する。民家、民具など日本の風土や生活に根ざしたデザインに興味を抱き同35年に米国ニューヨーク近代美術館で開催される国際パッケージ展に出品を依頼されて以降、日本の伝統的な「包む」造形に注目して収集を始める。同39年には全国商業美術家連盟の第一回展として「日本伝統パッケージ展」を提案して日本橋白木屋で開催。わら、和紙、竹皮などによる様々な包装を展示し、モダニズム全盛時代にあって、異色の展観として識者の関心を引いた。同展の出品作品を写真撮影して同40年に刊行した『日本の伝統パッケージ』(美術出版社)は、国際的な注目を浴び、英語、ドイツ語、フランス語に訳されて各国で刊行された。同警がきっかけとなり、同50年ニューヨークのジャパン・ハウス・ギャラリーで「包む-日本の伝統パッケージ」展が開催され、同展は28か国、99回の展示を重ね、各地で高い関心を呼んだ。包む造形に表れた風土、環境、人々の心を紹介することに尽力し、他に『包 TSUTSUMU』(毎日新聞社 昭和47 年)、『こころの造形』 (美術出版社 同49年)を著すとともに、同63年目黒区美術館での「日本の伝統パッケージ展」開催に寄与した。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(325頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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