上村六郎

没年月日:1991/10/29
分野:, (学)

 日本染織文化協会名誉会長の染織文化研究家上村六郎は10月29日午前10時40分、ジン不全のため京都市上京区の小柳病院で死去した。享年97。明治27(1894)年10月10日、新潟県刈羽郡に生まれ、京都高等工芸学校で染色学を学ぶ。ひき続き京都帝国大学工学部工業化学教室で染色学・繊維学を学んで卒業後同大助手となった。その後、関西学院大学理工科講師を経て、武庫川女子大学教授となり、昭和25年、大阪学芸大学教授となる。早くから日本の古代染織に興味を持ち、同5年『萬葉染色考』(辰巳利文と共著)を著し、同9年には『日本上代染草考』を刊行。宮内庁の委嘱により正倉院御物裂の調査に当たったほか、布以外の材料にも研究を広げ、同31年和紙研究会代表となった。大阪学芸大学を退いたのちは新潟女子短期大学教授、新潟青陵女子短期大学学長を歴任したのち四天王寺女子大学教授並びに日本染織学園園長を兼務。最晩年は旭川市の優佳良織工芸館内国際染織美術館館長をつとめる一方、研究、著作に専念した。東南アジアを含む広い文化圏の中に日本を位置づけ、上代からの日本の染織、色彩文化を生活に根ざした視点からとらえた。元人(げんじん、もとんど)とも号す。主な著書には以下のようなものがある。
昭和5 萬葉染色考 辰巳利文共著
昭和6 丹羽布
昭和9 日本上代染草考
昭和18 日本色名大鑑 山崎勝弘共著
昭和25 (日本色名大鑑)
昭和34 染色通論
昭和39 丹羽布縞帳
昭和40 暮らしの染色
昭和41 日本の草木染
昭和48 ジャワの染色
昭和54 上村六郎染色著作集1~6(全巻)
昭和55 日本人の生活文化史(3)
昭和55 萬葉色名大鑑
昭和57 沖縄染色文化の研究
昭和61 (昭和版)延喜染鑑
平成元年 日本の草木染

出 典:『日本美術年鑑』平成4年版(306頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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