小松崎邦雄

没年月日:1992/12/28
分野:, (洋)

 一水会会員の洋画家小松崎邦雄は12月28日午前10時1分、心不全のため浦和市立病院で死去した。享年61。昭和6(1931)年、東京、日暮里に生まれる。同25年東京芸術大学油画科に入学。安井曽太郎林武らに師事。同29年同科を卒業して同大油絵専攻科に進学。卒業制作「群像」は芸大買上となり、安井賞を受けた。同年第16回一水会展に「群像」で初入選する。同31年芸大油絵専攻科を修了。同大大橋賞を受賞し、また、同年の第18回一水会展に「仁科の岬」「ピクニック」に出品して一水会賞を受け、翌32年一水会会員に推された。同33年第20回一水会展に「野の群像」「人と馬」を出品して1賞、同35年同会第22回展に「トーテム」「落ちる人」を出品して会員優賞を受賞。同37年より国際具象派美術展、同38年より安井賞展に出品した。同41年渡欧しヨーロッパ各国を巡遊して帰国。同42年一水会会員展10回展記念賞を受賞した。同43年12月より翌年12月までユネスコ・フェローシップ奨学金を得てイタリア、フランス、オランダ、イギリスに留学、その後、北欧、北米、メキシコ等を巡遊する。同44年第4回昭和会賞、同57年東郷青児美術館賞を受賞。平成3年暗色の背景に舞妓7人を描き出した「稲穂のつどい」で第9回宮本三郎記念賞を受賞した。初期には人物群像を、つづいて牛、人形、風景と数年間ひとつの主題を集中して研究し、次の段階へと展開する足跡を示し、晩年は舞妓を主に描いた。陰影表現や光の効果をいかし、実在の対象を再現的に巧みに描きながら、絵画世界に非現実的夢幻感を導く独自の画風を示した。東京芸術大学講師、NHKテレビ油絵入門講座等、教育・普及面にも尽くしたほか、新聞小説挿絵、芝居のどんちょう等多方面に活躍した。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(331頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2016年10月25日 (更新履歴)
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