葛西四雄

没年月日:1990/04/27
分野:, (洋)
読み:かさいよつお

 日展会員、示現会理事の洋画家葛西四雄は、4月27日肝不全のため東京都千代田区の三井記念病院で死去した。享年64。大正14(1925)年青森県南津軽郡に生まれる。県立青森師範学校を中退、昭和28年から同36年まで小学校助教諭をつとめ、この間、同32年奈良岡正夫につき、同年の第10回示現会展に初入選する。同37年第5回日展に「滞船」が初入選、翌年示現会会員となる。同44年から安井賞候補展へもしばしば出品する。同46年改組第3回日展に「北の漁村」で特選を受け、翌年日展無鑑査。同53年、第10回日展に「北の浜」で再度特選となり、同60年には日展会員に推挙された。また、同57年新宿小田急で葛西四雄油絵展を行ったのをはじめ、翌年には奈良岡正夫らとの四人展を銀座松屋で開催、同展は以後6回続いた。示現会理事をつとめ、日本美術家連盟会員でもあった。北国の海を題材に力強い写実の作風で知られ、特選受賞後の日展への出品作には他に、「北の海辺」(14回)、「岬」(16回)、「北の漁村」(17回)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』平成3年版(291頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月26日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「葛西四雄」『日本美術年鑑』平成3年版(291頁)
例)「葛西四雄 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10393.html(閲覧日 2024-03-29)

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