坂宗一

没年月日:1990/04/09
分野:, (洋)

二紀会名誉委員の洋画家坂宗一は、4月9日肺炎のため福岡県三輪町の朝倉記念病院で死去した。享年87。明治35(1902)年5月福岡県三潴郡に生まれる。小学校卒業後、郷里の先輩坂本繁二郎を頼って上京し、一時川端画学校で素描を学んだ他は油彩画は独学により、坂本や古賀春江に制作を見てもらっていた。昭和4年、第16回二科展に初入選し、同12年の第24回展では「農具」で二科特待賞を受けた。この間、朝鮮や中国大陸、東京を転々と放浪し貧窮生活を送ったのち、郷里へ居を据えた。戦後は、同22年創立の第二紀会(のち二紀会)に参加、同36年二紀会委員となり、主に同展に制作発表を続けた。九州洋画壇の長老として活躍し、晩年手がけた水墨画も高い評価を得ていた。

出 典:『日本美術年鑑』平成3年版(291頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「坂宗一」『日本美術年鑑』平成3年版(291頁)
例)「坂宗一 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10392.html(閲覧日 2024-04-26)
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