藤原成憲

没年月日:1993/08/31
分野:, (日)

 大阪の風俗を描いて親しまれた画家藤原成憲は8月31日午後5時23分、老衰のため兵庫県姫路市の遠藤病院で死去した。享年91歳。明治35(1902)年2月28日、大阪に生まれる。本名国太郎。造幣局に勤務する父の転勤にともない、2歳のときにソウルへ移り、京城工芸学校陶画科存学中の大正6(1917)年に、同校を中退して上京、日本画、洋画を独学で学び、児童書等の挿絵で生計を立てるようになる。しかし、同13年の関東大震災で浅草から大阪に転居、その後風刺漫画雑誌「大阪パック」の編集長を4年間勤めるが、昭和4(1929)年に「大阪毎日新聞」に連載された「大阪夏の陣従軍記」の挿絵を担当する。これを機に、諸雑誌に漫画や風俗画を寄稿するようになり、また上方芸能人や文化人との交流が生まれ、その交流を通して人物画や文人画を描くようになる。同17年、北京翼賛会文化部長として北京に赴任し、同20年帰国。戦後は、雑誌『商店界』(誠文堂新光社)に「あきない史」を連載、また一般向けに絵画教室を設け俳画等を指導、この教室を後に「藤白会」(とうはくかい)と命名し、指導に専念した。同50年、大阪市民表彰を受ける。主著に『続浪花風俗図絵』(杉本書店、昭和47年)等があり、また『米朝落語全集』全6巻(創元社、昭和55-57年)の挿絵を担当した。

出 典:『日本美術年鑑』平成6年版(332頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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