田原陶兵衛

没年月日:1991/09/27
分野:, (陶)

 萩焼の第一人者で日本工芸会理事をつとめた陶工田原陶兵衛は、9月29日午前7時20分、心不全のため山口県長門市の病院で死去した。享年66。本名田原源次郎。宗陶とも号した。田原家は、萩焼の始祖である朝鮮人陶工李勺光の高弟赤川助左衛門の流れをくみ代々陶兵衛を名のる家柄で、源次郎は10代高麗陶兵衛の二男。大正14(1925)年6月19日、山口県長門市に生まれ、昭和19(1944)年旧制山口高等学校1年在学中に応召。同23年復員し、長兄の11代陶兵衛に就き家業を習った。同31年、長兄の急逝により12代陶兵衛を襲名。同44年第16回日本伝統工芸展に「萩茶碗」を初出品し、以後同会に出品を続ける。同47年日本工芸会正会員となり、同56年より同63年まで同会理事をつとめた。また、同56年山口県指定無形文化財萩焼保持者に認定された。同60年中国文化賞受賞。用器としての機能と鑑賞対象としての美的価値との並存を目指し、茶道具を中心に制作。古味をおびた製形、「陶兵衛粉引き」と呼ばれる化粧がけに特色を示し、江戸期の釉薬を再現すべく研究を続けていた。

出 典:『日本美術年鑑』平成4年版(303頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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