小川英鳳

没年月日:1990/06/13
分野:, (工,彫金)

日展会員の彫金家小川英鳳は6月13日午後2時22分、肺炎のため東京都杉並区の救世軍ブース記念病院で死去した。享年94。明治29(1896)年5月23日、新潟県西蒲原郡に生まれる。本名九万二。彫金家伊藤勝英に師事し、昭和3(1928)年第9回帝展に「森蔭(銀地金彫金筥)」で初入選。以後第11回、15回同展に入選し、新文展、日展と一貫して官展に出品を続ける。同17年第5回新文展に「夕顔彫金筥」を出品して特選受賞。同26年より日展依嘱、同35年日展会員となった。また、日本美術協会展、商工省展などにも出品し、昭和3年第15回商工省展では「朧眼孔雀文手筺」で褒状、翌4年第16回同展では「銅製草花文花瓶」で三等賞を受賞している。このほか、青々会にも属し、日本彫金会会長をつとめた。用途を重視した簡素な形の器物に花鳥や動物の文様を彫り出し、季節感あふれる古典的情趣を持つ作風を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成3年版(298頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「小川英鳳」『日本美術年鑑』平成3年版(298頁)
例)「小川英鳳 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10310.html(閲覧日 2024-04-19)
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