寺本美茂

没年月日:1992/11/13
分野:, (工)

 日展評議員の彫金家寺本美茂は、11月13日午後9時38分、食道がんのため東京都千代田区の三井記念病院で死去した。享年76。大正5(1916)年4月17日、京都市下京区に生まれる。本名勘次。昭和8(1933)年京都市立第二工業学校金工科を卒業し、磯崎美亜に入門。同15年紀元2600年奉祝展に「鉄布目象嵌飾筥」で初入選。同17年第5回新文展に「黄銅渡鳥文鉢」、翌年第6回新文展に「黄銅象嵌文壷」を出品する。戦後は同23年第4回日展に「銀線華文酒壷」を出品して以降日展を中心に活躍。同31年第12回日展に「切象嵌葉文花瓶」を出品して北斗賞、同34年第15回日展に「シャボテン文花器」を出品して特選北斗賞、同38年第19回日展に「シグナル青」を出品して菊華賞を受賞。光風会にも出品し、同31年同会会友、同37年同会会員となった。同41年日展会員となる。同43年、日本現代工芸チェコスロバキア展に際し派遣員として渡欧する。同53年日展評議員に就任。同54年日本新工芸家連盟の創立に加わり、同57年同会理事となる。この間の同54年第65回光風会展には「空の詩」を出品して辻永記念賞を受けた。同63年日本新工芸展に「白穂」を出品して内閣総理大臣賞を受賞。独特の張りと丸みのある器に花鳥を象嵌であらわした洗練された作風を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(327頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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