明石朴景

没年月日:1992/02/10
分野:, (工)
読み:あかしぼっけい

 日展、現代工芸展などで活躍した漆芸家明石朴景は2月10日午前6時50分、急性心不全のため高松市の自宅で死去した。享年80。明治44(1911)年10月1日、香川県高松市に生まれる。本名聖一。昭和9(1934)年東京美術学校図案科を卒業。和歌山県漆器試験場勤務を経て、同17年高松工芸学校教諭となる。戦後の同21年秋第2回日展に「華紋蒟醤色紙筥」で初入選。以後同展に出品し、同33年第1回新日展に「夜を聞くレコードキャビネット」を出品して特選受賞。同39年より日展依嘱となり、同41年日展審査員をつとめた。同43年日展会員となる。同52年第19回社団法人日展に「薫風婉然」を出品して会員賞を受けた。戦後、一時京都市立美術大学助教授、高松市立美術館学芸員をつとめた後、同44年より高松短期大学教授となった。朴景とも号し、花、魚等の自然の形をもとに大胆に図案化を加え、幾何学文様と組みあわせ、黒や朱の漆の地色を生かした斬新なデザイン感覚を示す作品を制作した。平成4年3月13日より郷里高松市立美術館で「明石朴景展」が開かれ、その業績が本格的に回顧された。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(309頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月26日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「明石朴景」『日本美術年鑑』平成5年版(309頁)
例)「明石朴景 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10298.html(閲覧日 2024-03-29)
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