岸澤武雄

没年月日:1992/02/06
分野:, (工)

日展評議員の鋳金家岸澤武雄は2月6日午後0時25分、肺炎のため埼玉県川口市の済生会川口総合病院で死去した。享年80。明治45(1912)年2月2日、埼玉県川口市に生まれる。昭和13(1938)年東京美術学校工芸科鋳金部を卒業。同年第3回実在工芸展に入選するが、この年に入隊する。同22年川口市立南中学校教師となり、同年第3回日展に「瑞鳥香爐」で初入選。同24年第5回日展に「金工銀錯花紋青銅壷」に入選して以後連年日展に出品する。同28年第9回日展出品作「汀(花器)」で特選朝倉賞受賞。同38年日展会員となり、同年同評議員となった。また、同29年高村豊周の主宰する同人「対象」に参加。同36年現代工芸美術家協会の設立に参加し、同38年同会常任委員、同40年同会理事となった。同25年より27年までは川口市立西中学校、同27年から45年までは埼玉県立川口高校で教員をつとめつつ、制作を発表。初期の作品は壷、花瓶といった容器の形態をとったが、昭和40年代には直接実用とは結びつかない装飾板の制作が多くなり、花、鳥、星等をモチーフに明快な色彩で童画的作風を示した。戸田市役所の平和像なども制作している。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(309頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「岸澤武雄」『日本美術年鑑』平成5年版(309頁)
例)「岸澤武雄 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10297.html(閲覧日 2024-03-29)

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