洲之内徹

没年月日:1987/10/28
分野:, (評)

 美術評論家、小説家、画廊経営主の洲之内徹は、10月28日脳こうそくのため東京都文京区の駒込病院で死去した。享年74。大正2(1913)年1月17日、愛媛県松山市に生まれる。昭和5年東京美術学校建築科へ入学したが、左翼運動に加わり中退、帰郷し日本プロレタリア文化連盟愛媛支部を結成する。同10年雑誌『記録』同人となり、以後文芸評論を展開する。戦後は、日中戦争の体験などを主題に小説を発表、3回芥川賞候補にあげられた。同33年戦友で小説家の田村泰次郎が始めた現代画廊に入社し、のち経営を引き継ぎ、この間から美術評論の分野でも意欲的に執筆した。また、新人の発掘とともに、定評のある作家より世に知られない画家たちの優品を集めた“洲之内コレクション”でも有名であった。14年間165回にわたって『民芸新潮』誌上に連載した「きまぐれ美術館」でも、忘れられた作家たちへの熱い思いをつづった。著書に『絵のなかの散歩』(昭和48年)、『きまぐれ美術館』(同53年)、『洲之内徹小説全集』(全2巻、同58年)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(336頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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