松岡清次郎

没年月日:1989/03/20
分野:, (美,関)

松岡美術館館長で美術蒐集家の松岡清次郎は、3月20日午後4時31分、呼吸不全のため東京都港区の虎の門病院で死去した。享年95。明治27(1894)年1月8日、東京都京橋区に生まれる。同45年中央商業学校を卒業して銀座の貿易商に勤務し、数年後に独立。雑貨輸出入業に従事し、第一次世界大戦時に不動産業、冷蔵倉庫業、ホテル業など多角的に事業を拡大。昭和7(1932)年、松岡創業を開設する。一方、古美術品蒐集を始め、初期には日本画を、戦後は中国陶磁を中心に蒐集。昭和49年6月「青花双鳳草虫図八角瓶」を落札して注目されたほか、「青花龍唐草文天球瓶」の入手、昭和55年シャガールの「婚約者」、同61年「釉裏紅牡丹蓮花文大盤」の落札などで話題となった。同50年11月、コレクションの公開のために東京都港区新橋5-22-10の自社ビル内に松岡美術館を設立。中国陶磁、日本画、西欧絵画、インド仏教彫刻など幅広いコレクションが展観されている。

出 典:『日本美術年鑑』平成2年版(237頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「松岡清次郎」『日本美術年鑑』平成2年版(237頁)
例)「松岡清次郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10255.html(閲覧日 2024-03-29)
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