田辺泰

没年月日:1982/04/01
分野:, (学)

 早稲田大学名誉教授の建築史家田辺泰は4月1日午前5時42分、急性肺炎のため、東京都新宿区の東京厚生年金病院で死去した。享年83。1899(明治32)年1月14日、広島に生まれる。24年早稲田大学理工学部建築学科を卒業と同時に同校助手となり、翌25年同助教授となる。41年より同教授となり後継の指導につとめる。69年退官するとともに同名誉教授となる。この間、日本建築学会において各種委員をつとめ、50-51年同会理事、52-53年度同会副会長となる。これらの功により72年、同会名誉会員に推挙される。伊東忠太に師事し、関西の社寺建築を主たる対象としていた昭和初期にあって、いち早く関東の社寺建築に取り組み「徳川家霊廟」「日光廟建築」などを著し関東系の建築史を大成する。また、沖縄諸島の建築、庭園を調査し、その成果をまとめた大著『琉球建築』は、第2次世界大戦により被害を受ける以前の琉球文化を伝えるものとして貴重である。文化財保護審議会専門委員として、浅草寺五重塔、鶴見・総持寺大祖堂、鎌倉・円覚寺本堂などの鉄筋コンクリートによる再建を担当している。

出 典:『日本美術年鑑』昭和58年版(270-271頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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