竹内敏雄

没年月日:1982/12/12
分野:, (学)

 東京大学名誉教授、日本学士院会員、日本を代表する美学者竹内敏雄は、12月12日午前5時35分、心不全のため神奈川県大磯町の石山整形外科病院で死去した。享年77。明治38(1905)年7月11日、愛知県豊橋市に生まれた。大正14年に第一高等学校を卒業後、東京帝国大学文学部美学美術史学科に入学、昭和4年に同学科を卒業後、大学院に進み、さらに同学科の副手、助手、講師を経て、昭和22年に助教授、同27年に東京大学文学部美学美術史学科の教授となる。同35年に文学博士。同41年3月東京大学教授を定年退官。同年5月に東京大学名誉教授となり、同45年10月には日本学士院会員に推挙された。
 また、昭和25年には京都大学の井島勉教授とともに美学会を創設し、それ以来同57年春まで代表委員として指導運営に当り斯学の発展に尽力したが、それ以後は美学会顧問に推された。また、この間に国際美学会の常任評議委員として度々国際会議に出席、研究発表を行って指導的役割をはたした。
 博士は優れた業績を多数遺されたが、そのうちで主要な著書としては、昭和27年『文芸学序説』(岩波書店)、同34年『アリストテレスの芸術理論』(弘文堂)、同42年『現代芸術の美学』(東大出版会)、同46年『塔と橋-技術美の美学-』(弘文堂)、同54年『美学総論』(弘文堂)などがあり、この他に多数の論文が定期刊行物等に発行された。さらにこれらの研究と平行して昭和31年からヘーゲルの『美学』(岩波書店)の翻訳を開始し、同36年には、次代の研究者を集めて編纂した『美学事典』(弘文堂)を刊行した。ヘーゲル『美学』は昭和56年に全3巻(9冊)をもって完結した。なお昭和34年刊行『アリストテレスの芸術理論』により東京大学より文学博士の学位を授けられ、同書に対してはさらに昭和35年5月、日本学士院賞が授与された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和58年版(289頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2016年11月15日 (更新履歴)
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