小林文次

没年月日:1983/08/28
分野:, (学)

日本大学教授で建築史学を講じた小林文治は、8月28日直腸ガンのため死去した。享年65。大正7(1918)年4月19日に生まれ、昭和16年3月東京帝国大学工学部建築学科を卒業し、同大学院に進学する。同19年3月、同科を退学。平安時代の阿弥陀堂建築を主に研究したが、戦後の同24年日本大学助教授となり、西欧も含めた建築史を講ずる。同27年からフルブライト留学生として一年間オレゴン大学に学び、アメリカ建築についても造詣を深める。その後、5年にわたる古代メソポタミア建築の研究を著書『建築の誕生』に結実させ、同35年、工学博士の学位を受けるとともに、建築学会賞を受賞、翌年日本大学教授に昇任する。同40年頃から、アメリカの都市、建築保存に力を尽くす一方、江戸時代の螺旋建築を研究課題とし、国際的範囲での調査を進める。同24年から日本建築学会理事、同25年からはイコモス(国際記念物遺跡会議)理事をつとめた。著作には『アメリカ建築』『ヨーロッパ建築序説』(ニコラウス・ペヴスナー原著を訳出)、『日本建築図集』などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(315頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「小林文次」『日本美術年鑑』昭和59年版(315頁)
例)「小林文次 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10227.html(閲覧日 2024-04-16)

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