石沢正男

没年月日:1987/05/21
分野:, (学)

東洋工芸史の研究者で奈良・大和文華館前館長の石沢正男は5月21日午前11時45分、脳こう塞のため東京都杉並区の樺島病院で死去した。享年84。明治36(1903)年3月31日、東京都千代田区に生れた。大正14(1925)年3月第一高等学校文科乙類を卒業後、東京帝国大学文学部美術美術史学科に進み、昭和3(1928)年3月に同学科を卒業。同5年10月~同8年7月の間はニューヨーク市メトロポリタン美術館東洋部の助手、同8年7月から同25年3月まで東京美術学校講師として東洋工芸史を講じた。この間に同16年10月からは美術研究所嘱託に、また翌17年から同22年2月までは美術研究所内の東洋美術国際研究会主事をつとめたが、同22年2月からは文部技官として文部省社会教育局文化課に入り、同25年文化財保護委員会が発足して後には同委員会文化財調査官、更に同年から国立博物館保存修理課長、同26年に同館資料課長、同30年から美術課長を歴任し、同39年6月に退官。同年7月から大和文華館次長となり、同45年から同56年まで館長をつとめ、同57年は同館顧問であった。また、同40年には文化財保護審議会専門委員に任命された。美術館運営、文化財行政にたずさわる一方、専門とする東洋工芸史研究においても研究論文を発表した。主なものには「三つの新収蒔絵作品について」(大和文華54、昭和46年9月)、「琉球黒漆桃樹文様沈金高台付盆」(大和文華63、同53年8月)、「三嶋大社蔵梅蒔絵櫛笥について」(大和文華64、同54年3月)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(331頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「石沢正男」『日本美術年鑑』昭和62・63年版(331頁)
例)「石沢正男 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10208.html(閲覧日 2024-03-29)

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