三上次男

没年月日:1987/06/06
分野:, (学)

 日本学士院会員、東京大学名誉教授、出光美術館理事、中近東文化センター理事長の三上次男は、6月6日肺炎のため東京都港区の虎の門病院で死去した。享年80。号白水子。東洋史、考古学の権威で、陶磁史においても陶磁貿易史という研究分野を確立した三上は、明治40(1907)年3月31日京都府宮津市に生まれた。昭和7年東京大学文学部東洋史学科卒業後、1年間東亜考古学留学生として中国に滞在する。翌8年外務省文化事業部満蒙文化研究部研究員となり、同14年東京大学文学部講師、同23年東京大学東洋文化研究所研究員、同24年東京大学教授となった。同36年文学博士。同42年東京大学を停年退官し、同年同大学名誉教授の称号をうけ、同年から同52年まで青山学院大学教授として教鞭をとった。この間、同47年1月から50年12月まで日本学術会議会員、同47年8月から56年7月まで日本ユネスコ国内委員会委員、同41年9月から没年まで出光美術館理事をつとめた。戦後、南アジア、中近東さらにエジプトなどで発掘調査を精力的に行い、中国古陶磁器が元時代にはエジプトにまで到達していたことを明らかにし、東西文化交流の経路として、陸路による「絹の道」とは別に、南海路である「陶磁の道」の存在を唱え陶磁貿易史の研究分野を確立した。同44年、岩波新書に『陶磁の道』を著し、これがシルクロード・ブームの先駆けとなった。同49年、『金史研究』(全3巻)により日本学士院賞恩賜賞を受賞した。同53年3月から中近東文化センター理事長に就任、同61年には日本から初のトルコ古代遺跡発掘隊の隊長をつとめた。同年、日本学士院会員となる。『三上次男著作集』他の著述がある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(331-332頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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