仲村一男

没年月日:1982/09/22
分野:, (洋)

独立美術協会会員の洋画家仲村一男は、9月22日午後4時、心不全のため、大阪府岸和田市の自宅で死去した。享年71。1911(明治44)年3月31日、大阪府岸和田市に生まれる。30(昭和5)年頃、大阪信濃橋洋画研究所に入り、小出楢重に師事する。38年第25回二科展に「志摩風景」が初入選し、翌年同展に「風景」を出品する。このころから45年まで18年間、朝日新聞社大阪本社に勤務。47年、毎日新聞団体連合展に出品するとともに、第15回独立展に「柿の静物」が初入選し、以後独立展への出品を続ける。49年「大漁風景」「山の駅」を第17回展に出品し、独立賞を受賞、56年同会会員となる。またこの頃に中間冊夫、高橋忠弥、斎藤長三ら10名と「鷹の会」を結成し数年にわたり活動する。67年ヨーロッパを取材旅行し以来、ヨーロッパ風景を多く描き、73年、75年にも西欧、中近東へ取材の旅に出ている。ジォットの作風を深く慕い、画家は独自の作風を生み出す為に独自のメチエを持たなくてはならない、という主張のもとに、砂をまぜたあざやかな色彩の絵の具で、明快な作風を持つ絵を描き続ける。没後の83年4月、大阪市立天王寺美術館で独立美術主催の「仲村一男遺作展」が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和58年版(283頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「仲村一男」『日本美術年鑑』昭和58年版(283頁)
例)「仲村一男 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10129.html(閲覧日 2024-04-20)
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